先日、社内のメンター制度による1年のメンターとしての任期を終えた。
今回、2度目のメンター担当ということで、1度目の任期の反省を生かし、メンター面談の時間を新入社員にとって有意義なものになるよう、面談内容のブラッシュアップを行なった。
今回は、実施して得られた知見と次回に活かす反省点を忘れないために、記事に残そうと思う。
社内メンター制度とは
簡単に言うと、部署外の先輩に相談できる制度である。
詳しくは、下記サイトを参考にされたい。
面談を行うにあたってのポイント
個人的に思う、円滑に、そして有意義にメンター面談を行うためのポイントは、下記の3点である。
- 相手との信頼関係
- 目的意識
- 面談の会話テーマ
相手との信頼関係
まず、基本となる相手との信頼関係。
これを構築できるかが面談を成功させるかの大切なキーとなる。
まだ、試行錯誤中であるが、私の実施したことは、以下の通り。
- お互いの共通点を見つけ出し、親近感をもってもらう。
- 面談での会話は外には漏らさない守秘義務があること、面談の報告書では、本人にとってマイナスなこと(上司の愚痴等)は一切書かないことなどを伝え、面談への信頼感をもってもらう。
- 相手のことを言葉で否定せず、理解する。
- 面談中は楽しそうに!そして相手の話を聞くときは興味深そうに聞く。(個人的に一番大事なポイント)
今期の面談では、問題なく信頼関係が気づけたが、お互いの相性によるものもある。
次回以降、また違ったタイプの新人を担当することになったときに、どのように信頼関係を築いていくかが、これからの検討課題である。
目的意識
目的意識とは、面談を担当する先輩社員(自分自身)の目的意識のことである。
面談の時間を、新入社員とただお話をするだけの時間にすることもできるが、それでは、自分と新入社員の時間を割いて面談をしている意味がない。
新入社員にとっての息抜きの時間にしながらも、この一年間を通して、どのようなことを知って欲しいか、どう育って欲しいかを面談する側は意識していく必要があると思う。
今回、面談での目標としたことは、
- 社会人としての知識、考え方を教える
- 会社のことを知ってもらうことで、自分が担当する業務の意味を理解してもらう
- 仕事や会議への臨み方を伝えることで、目的意識、課題発見の思考を身につけてもらう
などといったことだろうか。
仕事のやり方の指導は部署の先輩の仕事であり、メンター面談では、社会人として、どのように仕事、社会に向き合っていくか、を教えていく場であると思っている。
新入社員の視野を広げるためのサポートができるよう面談を行った。
面談の会話テーマ
社内メンター面談では、新入社員の話を聞き、悩みを聞く!といったことが基本的な流れとなるが、正直、面談テーマが「話を聞き、悩みを聞く」だけだと、うまくいかないものである。
つまり、話が続かなくなるのである。
正直、新入社員というものは、仕事が大変!という悩み以外は、本人自身もまだ気づけていない段階であることが多い。
その段階で、「なにか悩みとか相談事ある?」と聞かれても、「いや、特にないです....」で終わってしまうのが大抵である。
前述しているが、それを回避するために、面談のテーマとして、「悩みを聞く」と合わせて、「会社のことを教える」「社会のことを教える」ことを加えた。
「会社のことを教える」
「会社のことを教える」とは、文字通りで、会社の制度やイベント、方針などを伝えるのである。
この目的は、3つ。
- 自分に関係ある制度を知り、しっかり活用してもらう
- 年間の行事を教えることで、年間の見通しを持たせ、目標を決めやすくする
- 会社がどんなことをしているかという本質を知ってもらうことで、今自分がしている仕事にどのような意味があり、どのように業務を成長していくかの視野を持ってもらう
社内の現状や歴史を知ることや会社の制度を理解すること、会社が置かれている市場動向を知ること全てが、自分を成長させ、新しいソリューションを作り上げていく要因になると思っている。(自分の経験上)
それを、いかにわかりやすく新入社員に教えていくかを念頭に、面談のテーマを検討した。
「社会のことを教える」
社会のことを教えるとは、ビジネスマナーなどではなく、
- キャリアアップの考え方
- 税金や年金、確定拠出年金、資産運用などといった金融の知識
- 情報収集の方法
- 生活の知恵
などといったように、学校で教えてくれないような、新入社員自身が社会人として生きていくために知っておく知識を教えるよう心がけた。
「会社のこと」✖︎「社会のこと」
この2つのテーマを掛け合わせた内容として常に伝えていたことは、
仕事をただの作業ではなく、スキルを身につけると思って取り組むこと。
その意識をもつことで、今後、独立や転職などといったキャリアアップの時に、絶対に役に立つから。
ということである。
会社の歯車になっていては、本人自身なにの成長も得られない。
この会社で長く勤めていくにしても、転職を考えるにしても、この考え方は本人の成長を後押しするはずだ。
具体的な面談のテーマ
以上の面談のテーマを踏まえて、実際に面談に用いた具体的なテーマを紹介する。
- 会社での働き方
- 資格試験、それに伴う制度
- 市場動向
- 会社のビジョン、現状の課題について
- 社内外の福利厚生
- 健保の支援制度
- 退職金制度(実際にいくらもらえるか)
- 就業規則や社内制度について
- ふるさと納税について
- 確定拠出年金について
- 情報収集の方法について
- 時間の管理術について
- 仕事の進捗管理について
- 会議に臨むにあたっての考え方
- 全社向け連絡、広報の確認
- 他部署の業務
- 今後のキャリアの考え方
- 業務の進捗状況
- 悩み、職場定着状況
メンター面談を行うにあたって自分がしたこと
前章は、相手への働きかけの点について着目して記述したが、本章では、面談に臨むにあたって自分自身行ったものについて紹介する。
読書
メンター面談をやるにあたって、無知であってはいけない!と思い、様々な分野の書籍を読み漁った。
ビジネス書やメンタル系、金融関係、雑誌などなど・・・
そうすることで、相手の悩みに対してどういう提案ができるかなどのアイディアを得ることができた。
自分なりの考え方だけじゃなく、成功しているひとの考え方も知ることが、相手にとってもよい答えになるよね。
コーチングについて学ぶ
読書の分類に入るが、コーチングについても学んだ。
どう聞き出し、どう問題解決をしていくかを知ることができた。
市場動向の把握
だいたい把握はしていたが、教えるにあたって、再度、自分の会社における市場動向の把握を行った。
それにあわせて、自分の会社がどうアプローチしており、今後どう発展していこうとしているかを再確認した。
他部署の実績、動向を知る
相手の部署やその他の部署がどのような現状かを調査。
面談のベースの知識として活用ができるし、本人の部署が他部署(私の部署)から見てどういう状態かという多角的な視野を与えることもできる。
今回の反省点と課題
今回の面談において、見えてきた反省点と課題をピックアップする。
これを次回以降の面談で活用することで、面談の質のブラッシュアップを行いたい。
面談の目的意識と計画
結果として良い面談になったが、これらの面談内容は当初の計画にあったものではなく都度考えて行ったものばかりである。
目的意識をもって、新入社員にどう育って欲しいかを念頭においた計画を綿密に立てる必要がある。
※ただし、相手によって柔軟に計画を変更することも必要。ニーズを見極める。
教えることと、話を聞いてあげることのバランス
本件も結果としてうまくいったと思っているが、1回30分の面談時間は意外と短い。
教えたいこともありつつ、話を聞くことも重視していると、時間通りに行かないことが多々ある。
体感的なところになるが、話を聞くことに重点を置きつつ、合間をみて、教えるフェイズを組み込んでいく必要がある。
メンター面談の質
一年の任期を終え、新入社員からの評価は概ねいいものであったが、もっといい面談ができたのではないかと思う。
例えば、導入の入り方や話の聞き方、アドバイスの方法などといった細かい点である。
そこも改善の余地ありである。
資格取得などのスキルアップについて
新入社員の対して、社内選考に参加してみては?資格取得をしてみては?と提案を行う機会がある。
この提案を行うときに、自分自身もチャレンジしている姿勢を見せる必要があると感じた。
メンターとは、相手にとって目標となる人間であるべきだと思うので、この点も忘れずに行きたい。
※もちろん、今期において自分自身も提案した社内選考は全て参加し、資格取得を目指し合格まで行った。
おわりに
メンター面談は、新入社員だけではなく、自分自身も成長できるものである。
面談担当者に選出してもらい、学ぶことも多かった。
新入社員にとって、よりよい社会人生活が送れるよう、日々メンター面談力を磨いていきたい。